□保険・制度・その他マネーコーナー

大きく3つのタイプの商品から選び 
がん特有のリスクに備える

他の病気とは異なり、がんは長期間に及ぶ通院治療がメイン。また、再発のリスクもある病気です。がん特有のリスクを念頭に置いて、商品選びをしましょう。

がん保険は「何に備えたいか」で3つのタイプから選択

 がん保険は、がんにかかった際の入院や手術に手厚く備える保険です。がんは、かつては不治の病とみなされていましたが、近年では医療技術の発展に伴って、治療によって治る病気へと変わってきています。とはいえ、がんに罹患する確率は男性が65.5%、女性が50.2%と、2人に1人は一生のうちにがんを経験する計算になるので、しっかりと備える必要があるのは確かです。

 がん保険には、大きく分けて「入院・手術給付金メイン」、「診断一時金メイン」、「治療給付金メイン」の3つのタイプがあります。どのタイプを選ぶべきかは、それぞれのニーズによって異なります。
 交通費や日々の雑費などに備えたい場合は、入院給付金を日額で受け取れる「入院・手術給付金」タイプがオススメ。主契約は入院・手術給付金で、特約で診断給付金などの保障を付加します。ただし、幅広い治療に対応しようとして、あまりに多くの特約を追加すると、保険料が割高になり、かえって家計が圧迫されるということにもなりかねません。自分にとって本当に必要な保障を見極めていくことが重要です。

 まとまったお金を受け取りたいという人は、「診断一時金」タイプを選択しましょう。がんと診断されたら100万円などの診断一時金が一括で受け取れ、自分の好きな用途に活用することができます。ただし、診断一時金には通算5回などの回数制限や、2年に1回などの給付頻度の制限があり、条件によっては、すぐに再発してしまったケースなどに対応できないこともあります。

 最後に、抗がん剤治療などで高額になりがちな薬物療法などに手厚く備えたい場合に適しているのが、「治療給付金」タイプです。ただし、保障対象となる抗がん剤に制限があるなど、保障範囲が限定されている場合もあるので、前もって、どのような治療法や薬が保障の対象になっているのかを確認しておく必要があります。

がん治療は一般的な病気とは異なり
通院治療の長期化がネックに

現在のがん治療は、「標準治療」と呼ばれる手術、薬物療法、放射線療法の3つを基本としています。標準治療は科学的な根拠に基づいている、現段階では最善な治療法です。
 医療技術の進歩によって、がん治療は入院が短期化しています。代わって、標準治療である三大療法のうち、放射線、抗がん剤投与による通院治療にシフトしています。

 一般的な病気であれば、手術をすれば治療が完了することが多いですが、がんの場合は通院治療を必要とするため、治療が長期化するケースも多くなります。また、がんには再発リスクもあるため、長期間の定期的な検査も必要になります。長期にわたる通院治療によって、以前のように働けなくなるケースは少なくないため、収入減の問題にも直面する可能性が高くなります。そのため、入院・手術の保障に重点が置かれる医療保険だけではカバーすることが難しくなっています。そこで、入院・手術への備えだけでなく、退院後の通院治療にも手厚いがん保険での備えが必要になってくるのです。

 また現在では治療法が多様化しており、陽子線治療や重粒子線治療をはじめとする先進治療や、未承認の抗がん剤やホルモン剤、ゲノム治療や免疫療法といった自由診療など、選択肢が増えています。ただし、標準治療以外の治療は、公的保険診療の対象外となるため、高額な治療費を全額自己負担することになります。

 がんの治療法はステージや部位によってさまざまな選択肢があります。がんになったときに、金額面を気にせず、なるべく多くの選択肢を確保できるようにするためにも、がん保険で治療費を準備しておくことも選択肢の1つといえそうです。

 

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